住宅設計におけるコストダウンの工夫

建築資材の高騰や住宅金利の上昇など、家を建てることへのハードルが上がってきている昨今、限られた予算の中で理想の家づくりを実現するためには、設計段階から工夫することが不可欠です。

今回は、住宅設計におけるコストダウンの工夫をいくつか紹介します。

1. シンプルなデザインと形状

四角プランの採用

住宅の形状をシンプルな四角にすることで、施工が容易になり、材料費や工事費が削減できます。
同じ面積のプランであっても、正方形と長方形では外周長さ、つまり外壁面積に差が生じます。逆に外周長さが同じでも、形状によって面積は変わります。

2. 効率的なレイアウト

無駄のない動線計画

動線をシンプルかつ短くすることで、無駄なスペースを削減しコストダウンが図れます。
特に水廻り(キッチン・浴室、洗面脱衣、トイレ)を集中させることは、配管工事のコストを抑えることができ、さらに家事や子育てをラクにする家づくりにも繋がります。

オープンプランの採用

壁や扉を少なくすることで材料費や工事費を抑えることができます。
広々とした空間は、自然光を取り入れやすく、照明の使用を減らすことにも繋がり、エネルギーコストの削減も期待できます。また、パントリーやトランクルームなどは、のれんやロールカーテンで目隠しするのも工夫のひとつです。

3. 標準化

規格サイズの窓や設備の採用

商材や設備機器の選定には、規格品や建築会社の標準仕様を取り入れるとよいでしょう。
数多く仕入れ提供することで、1つあたりのコストが抑えられます。標準仕様の設定は、施主だけでなく建築会社側も、提案や作図が効率的になり、施工品質の安定化にも繋がります。

4.セルフビルドの取り組み

家具やガーデニングのDIY

コロナ禍でおうち時間が増えたこともあり、今もDIYやガーデニング(家庭菜園)の需要が高まっています。
ホームセンターでは、工具の貸出しやカッティングサービスが充実しており、専門的な技術がなくても自分で作業を進めることが可能です。 これにより、内装や外構の一部を自分で手掛けることで、工事費用を削減できるでしょう。

5.メンテナンス

定期的な掃除や点検

家は建てて終わりでなく、自動車などと同じように定期的に点検やメンテナンスをすることが重要です。
手入れを怠ることが劣化を早め、結果的にコストになってしまう要因でもあります。メンテナンスしやすい素材や商品を選ぶことで長期的なコスト削減に繋がります。

他にも工夫や考え方次第で、コストダウンが図れる要素はたくさんあると思います。
ただ、切り詰め過ぎたり我慢し過ぎたりした結果、やっぱこうすればよかったと後悔する家づくりになってしまっては本末転倒です。

建築会社さんと協力しながら、バランスの取れた設計で、理想の家づくりをしてほしいなと思います。