いまさら聞けない!『Low-E複層ガラス』に関わる基本性能
省エネルギー住宅を建築するには、今や絶対に欠かせない建築資材の一つが『Low-E複層ガラス』が組み込まれたサッシです。特にガラスの性能は室環境を向上させる上で重要です。
この記事では、『Low-E複層ガラス』について、いまさら人に聞けない基本を記載しておりますので、ぜひ、一読ください。
1、Low-E複層ガラスってどんなもの?
Low-E複層ガラスとは、単板ガラス、Low-E膜という特殊な金属膜を表面にコーティングしたガラスと、ガラス間にある中空層で構成された複層のガラスのことになります。
Low-E膜は、膜を通過する熱(太陽熱、室内熱)を反射、吸収する性能があります。
夏の冷房効果を向上させ、冬は室内の熱を外に逃しにくくすることで、建物の省エネルギー効率をアップさせます。
2、Low-E複層ガラスの2つの種類と見分け方は?
Low-E複層ガラスには、『日射取得型』と『日射遮蔽型』の2種類があります。
日射取得型
太陽熱を取り込み、室内の熱を外部に逃がさないタイプで、建物の南面に設置すると冬の暖房効率が上がります。
その反面、夏は冷房が効きにくくなるので、庇など影を作る工夫で、直接日差しが入らないようにする必要があります。
日射遮蔽型
太陽からの赤外線など一定の割合でカットでき、外部から室内環境への影響を押さえるタイプです。
建物の東西面に設置すると、夏の朝日や西日の熱を軽減する効果が見込めます。
Low-E複層ガラスの見分け方
Webサイトなどで調べると、「Low-E膜のコーティングされたガラスの設置位置が、サッシの内側か外側にあるかで見分ける」、とよくみかけます。
実はその見分け方は間違った理解です。
見分けるための重要ポイントは、JISに定めるガラスの中央部の日射熱取得率η(イータ)によって決まっており、日射熱取得率ηが0.5以上は『日射取得型』、0.49以下が『日射遮蔽型』と判断されます。
要は、ガラス本体の日射熱取得率の数値で区別されています。
3、Low-E複層ガラスのカラーバリエーションってある?
Low-Eガラスは特殊な金属膜をコーティングされているので、透明ガラスに比べて、一般的に少しグリーンかかっているのが特徴です。
最近では、グリーンだけではなく、ブルー、ブラウン、クリア(透明)などガラスメーカによってカラーバリエーションもありますが、日射取得型と日射遮蔽型で選べるカラーが限定されることもあります。
1つの居室に方位の違うサッシがある場合など、省エネルギーの観点からのみで考え、Low-E複層ガラスの配置を設計してしまうと、ガラスカラーが違う少し違和感のある空間になってしまいます。
くれぐれもご注意ください。