住棟評価?住戸評価?共同住宅における設計住宅性能評価の概要を解説
設計住宅性能評価において、戸建住宅と共同住宅の評価項目の違いがよくわからないとお困りではないでしょうか?
混乱する理由の一つとして、「住棟評価」と「住戸評価」の2つの評価軸がある為です。
この記事は、共同住宅の設計住宅性能評価について、これから学ぼうと考えている方に向けて記載しております。ぜひ、読んでみてください。
1.設計住宅性能評価ってどんな制度なの?
設計住宅性能評価は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」を基に創設された「住宅性能評価制度」の基準に従って、第三者機関が行う設計段階での評価のことです。
評価項目は10の分野に分かれており33の評価項目で構成されてます。
評価の表示方法は等級で表す項目や、数値で表示する項目があります。
また、性能評価を申請する際には、必ず評価しないといけない評価項目(必須項目)と、選択して評価する評価項目(選択項目)に分かれており、どの項目を評価するのかは自由に選べます。
【設計性能評価の評価分野・項目一覧】 ※評価項目の詳細は省略しております。
評価分野 | 評価分野 | ●:必須 △:選択 | |
1 | 構造の安定に関すること | 1-1~1-7 | ● (1-2,1-4,1-5:選択 |
2 | 火災時の安全に関すること | 2-1~2-7 | △ |
3 | 劣化軽減に関すること | 3-1 | ● |
4 | 維持管理・更新への配慮にかんすること | 4-1~4-4 | ● (4-4:選択) |
5 | 温熱環境・エネルギー消費量に関すること | 5-1~5-2 | ● |
6 | 空気環境に関すること | 6-1~6-3 | △ (6-3:建設評価) |
7 | 光・視環境に関すること | 7-1~7-2 | △ |
8 | 音環境に関すること | 8-1~8-4 | △ |
9 | 高齢者等への配慮に関すること | 9-1~9-2 | △ |
10 | 防犯に関すること | 10-1 | △ |
2.設計住宅性能評価の「住棟評価」と「住戸評価」について
前述したとおり、共同住宅の設計住宅性能評価は、住棟評価と住戸評価で項目が分かれており、各々を分類して評価しないといけません。
【住棟評価と住戸評価の項目表】
対象となる評価項目 | |
住棟評価 | 1-1~1-7、2-5~2-6、3-1、4-2~4-3 |
住戸評価 | 2-1~2-4、2-7、4-1、4-4、6-1~6-3、7-1~7-2、8-1~8-4、9-1~9-2、10-1 |
ⅰ)住棟評価の項目
住棟評価は、マンション1棟を評価の対象とし、各評価項目の基準に適合しているのかを判断いたしますので、全住戸で評価が同じになります。
ⅱ)住戸評価の項目
住戸評価は、マンションの各住戸を個別に評価いたしますので、隣り合う住戸であっても同じ評価結果になるとは限りません。
3.設計住宅性能評価申請の3つの注意点
ⅰ)評価する住戸は選択制
共同住宅の設計住宅性能評価は、全住戸を必ずしも評価する必要はなく、評価をしたい住戸を自由に選択して申請することも可能です。
ⅱ)棟として評価書はでない
共同住宅の設計性能評価書ですが、棟としての評価書は発行されません。戸建ては1戸1枚として発行されるので勘違いされる方もいらっしゃいます。
あくまで、申請した住戸単位で発行されますので、間違えないようにお気を付けてください。
ⅲ)建設住宅性能評価との関係性
建設住宅性能評価申請を申し込みする際に、設計住宅性能評価で発番された評価番号が必要になりますので、その1点だけは抜け漏れがなくご対応ください。