省エネ計算に有利?節湯水栓で設計一次エネルギー消費量を低減させる!

ZEH住宅を設計するためには強化外皮基準と設計一次エネルギー消費量の両方で、ZEH基準を満たさないといけません。

この記事では、ZEH住宅を目指すために省エネ計算における設計一次エネルギー消費量の数値を低減させる設備機器として、節湯水栓について解説いたします。

ぜひ、住宅設計の設備選定の際にお役立ててください。

1.節湯水栓とは?

節湯水栓とは、水栓自体の構造を改良することで湯をより効率的に使用できるようした水栓のことです。

省エネ性能を向上させ、給湯に関わる設計一次エネルギー消費量を低減できます。

2.節湯水栓を定義する基準

節湯水栓を定義する基準は3つあります。

ⅰ)(一社)日本バルブ工業会自主基準
ⅱ)省エネ基準(エネルギー消費性能基準)
ⅲ) 低炭素建築物認定基準

3つの基準で、省エネ計算にて設計一次消費エネルギー消費量を低減できる基準は、『省エネ基準(エネルギー消費性能基準)』と『低炭素建築物認定基準』になります。

また、対象となる節湯水栓はシングルレバー混合水栓、サーモスタッド混合水栓に限定しております。

最近の新築住宅では見かけることのない2バルブの混合水栓は、湯の温度を調整する時に無駄な湯水を使用してしまうため、節湯水栓の対象外になっております。

3.節湯水栓の3つの機構とその表示マーク

『省エネ基準(エネルギー消費性能基準)』と『低炭素建築物認定基準』で定められている節湯水栓の機構と付随する表示マークは3種類あります。

■節湯機構の表示マークと水栓の設置位置一覧■

節湯水栓の機構表示マーク設置位置
手元止水機構節湯A1キッチン水栓・浴室のシャワー水栓
小流量吐水機構節湯B1浴室のシャワー水栓
水優先吐水機構節湯C1キッチン水栓・洗面水栓

各機構の特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。

①手元止水機構(節湯A1)とは

水栓のハンドルやレバーに触れないで、湯水の吐水・止水を操作できる機構です。

キッチン水栓についているセンサーや、浴室のシャワーヘッドの止水ボタンが代表的な手元止水構造の水栓になります。

②小流量吐水機構(節湯B1)とは

水圧を変えないで、蛇口から出る吐水量の調整ができる機能のことで、よく使用されている部品は浴室の水栓やシャワーヘッドです。

③水優先吐水機能(節湯C1)とは

混合水栓のレバーの位置が正面側に来ているときは水のみが流れる機能で、レバーの位置をさらに湯側にひねることでお湯が出る構造になっております。

節湯水栓は、省エネ住宅を設計する際に欠かせない設備になります。

湯の使用量を抑えることは住まれる顧客の光熱費の節約にも役立ちますので、積極的に節湯水栓の採用を検討してみてはいかがでしょうか。