空間の価値を一瞬で変える!照明計画をする時におさえておくべき2つのポイント
建物の設計をすると、照明器具の配置や選定に悩むこともあると思います。
住宅ならば部屋の中央にシーリングライトをつける、施設ならば均等に蛍光灯を配置する、など簡単にプランをすることもできますが、それだけでは雰囲気の出ない、一辺倒な空間になってしまいます。
ローコストを重視するのであればそれも構わないのかもしれませんが、2つのポイントを抑えるだけで劇的に価値ある空間に変えることができます。ぜひ意識してみてください。
1.色温度
照明器具には、それぞれ「K(ケルビン)」で表される「色温度」という単位があります。
色温度が5500K程度のものは昼白色と呼ばれる白い光です。住宅ならば調理をするキッチン、オフィスならばデスクスペースなどに使われます。多用しすぎると、明るすぎて落ち着かないので、くつろぎの空間に使うにはおすすめしません。
ゆったりと過ごしたいリビングなどには、3500K程度の淡いオレンジの光が最適です。2700K程度の小さな電球の照明器具もあります。こちらは昔の照明代わりであったろうそくやランタンのような、ほのかな明るさで、ゆったりとまどろみのある空間づくりに役立ちます。これひとつでは心もとないかもしれませんが、寝室の一部に使ったり、小さなくつろぎスペースに使ったりするのがおすすめです。
2.器具の配置
部屋のどこにいても均一な明るさになることを意識しすぎで、部屋の中央に大きな照明器具を設置したり、天井に等間隔に配置したりしがちですが、これでは雰囲気のない、単調な空間になってしまいます。
大人数が作業するオフィスならばいいのかもしれませんが、部屋の用途によっては配置にもこだわってみるのも良いかもしれません。
天井に設置するばかりではなく、フロアライトやテーブルランプなど、低い位置に照明を配置することで陰影ができ、ホテルの一室のような雰囲気になります。計画段階から、ランプの位置も考慮した上でコンセント配置を考えるのも良いでしょう。
建築と照明を一体化させる「コーブ照明」もおすすめです。コーブ照明とは、折り上げ天井又は壁の中に照明器具を設置する、いわゆる「間接照明」です。光を天井や壁に当てることでその反射光を照明にします。光源が直接目に入らず、強い眩しさを感じにくいので柔らかい明るさが部屋に広がります。
ロビーや応接室、寝室などに用いると落ち着きがありながら、広がりのある印象になります。
このように、照明の計画は様々な選択肢があります。照明器具を選ぶ際には、効率や値段だけにこだわらず、空間に合わせた選び方をすることで部屋の価値が何倍にも上がります。
ぜひその物件に似合う照明計画を取り入れてみましょう。