床暖房のセーブモード対応リモコンってなに?一次エネルギー消費量の改善に効果はあるの?

床暖房設備がある住宅や、共同住宅の住戸で一次エネルギー消費量を改善する1つの方法として、セーブモード対応リモコンを採用する方法があります。

今回の記事は、床暖房のセーブモード対応リモコンと、一次エネルギー消費量の改善効果などについて解説します。

床暖房のセーブモード対応リモコンってなに?

セーブモード対応リモコンとは、床暖房とエアコンを併用運転することで、省エネを目指した運転モード機能がついた床暖リモコンです。

床暖房の能力を制限するモードで、部屋の暖房を床暖房とエアコンの併用で温めることを前提としたモードです。床暖房の表面温度は通常の運転に比べ、セーブモード運転においては低くなり、一次エネルギー消費量の改善が可能です。

セーブモード対応リモコンで一次エネルギー消費量の改善効果はある

床暖房のセーブモード対応リモコンは、省エネ計算における一次エネルギー消費量を表すBEI値を改善します。

改善の効果は、住宅自体の外皮性能や居室面積などさまざまな要因で流動的になりますが、すくなくとも0.03程度は数値の向上は見込めます

セーブモード対応リモコンのある床暖房の種類は?

2024年12月現在でセーブモード対応リモコンが省エネ計算で評価できるのは、ガス温水床暖房設備のみです。ガス併用住宅を計画中で温水床暖房の設置を検討されている方は、ぜひ設置予定のリモコン種類について確認をおすすめします。

ただし、2025年4月に電気ヒーター床暖房における併用運転の計算が可能になる予定です。省エネ計算において、今までBEI値を著しく悪化させていた電気ヒーター床暖房設備の一次エネルギー消費量の大幅な改善が見込めます。

メーカーによる電気ヒーター床暖房のセーブモード対応リモコンのリリースは今後続くと考えられます。

省エネ計算でセーブモード対応リモコンに該当する項目は?

省エネ計算における住宅の一次エネルギー消費量は、Web上に公開されている『エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)』により計算します。

暖房機器の評価で選択できる設備機器などは下記の表1を確認ください。

いろいろな暖房機器がありますが、セーブモード対応リモコンに該当する項目は、「⑨ 温水暖房-温水床暖房(併用運転に対応)」になります

表1:暖房評価で選択できる暖房設備機器または放熱器の種類
暖房評価で選択できる暖房設備機器または放熱器の種類
ルームエアコンディショナー
FF暖房機
電気蓄熱暖房器
電気ヒーター床暖房
ルームエアコンディショナー付温水床暖房機
温水暖房温水床暖房
パネルラジエーター
ファンコンベクター
温水床暖房(併用運転に対応)
その他の暖房設備機器
基準値の算定において想定される機器
暖房設備機器または放熱器を設置しない

2025年度から始まる省エネ適判では、外皮と一次エネルギー消費量の数値において省エネ基準への適合が必須になります。

もし、一次エネルギー消費量が基準値までクリアしていない場合、ぜひセーブモード対応リモコンの導入を検討ください。