「それ違反建築物です!」知らなかったではすまされない!違反事例5選!

違反建築物とは
違反建築物とは、建築基準法及び関係規定に違反している建築物のことです。ここで重要な事は、建築基準法だけではなく、その関係規定である「消防法、都市計画法、条例等」の様々な法令も対象になるということです。決して建築基準法のみ遵守すればいいというわけではありません。
近年のコンプライアンス意識の向上で、違反建築物の建築件数は年々減少しております。しかし、建築許可が必要な地域で、建築許可なしでカーポートを設置したり、高さ1.2m超えるブロック塀を築造しているにも関わらず、控え壁を設置しなかったりと、知らず知らずに違反行為を行ってしまう事例は数多く存在します。
違反建築物を建築すると、行政から除却や使用禁止などの命令を受ける可能性があるほか、悪質な場合は刑事罰が科される場合があります。違反建築物があることで、近隣住民とトラブルに発展するケースや、不動産価値が下がり敷地を売却したくてもなかなか買い手が見つからないことも考えられます。また違反建築物の建築に関わった建築士、施工業者、不動産業者は、免許取り消しや営業停止、法人名や氏名の公表で事業にも打撃を受ける可能性があります。
代表的な違反事例5選
今回は、知らなかったではすまされない代表的な違反事例5選をご紹介します。
・違反なカーポート
防火地域・準防火地域でカーポートを設置する際は規模に関わらず、建築許可が必要です。建築許可を得ずに工事をすると、違反建築物になります。
・違反な住宅リフォーム
住宅リフォームは規模によって建築許可が必要になります。階段や屋根を過半以上改修する場合は建築基準法上の「大規模修繕・模様替」に該当します。「大規模修繕・模様替」の建築行為は、建築許可が必要です。建築許可を得ずに工事をすると、違反建築物になります。
・違反なブロック塀
敷地に高さ1.2mを超えるブロック塀を築造する際は控え壁の設置が必要です。控え壁がないまま築造してしまうと、違反建築物になります。
もし、違反ブロック塀を築造してしまうと、その後、敷地内の本体建築物を増築等の建築行為をする際、違反ブロック塀の影響で建築許可が得られない可能性があります。土地を購入する際にも、既設のブロック塀がある時は高さに注意する必要があります。
・営業許可と建築許可は違う
ペットショップの営業許可が保健所から得られたからといって、どの地域でも営業していいというわけではありません。ペットショップは規模により建築基準法上の「畜舎」に該当する可能性があります。「畜舎」に該当すれば、第一種低層住居専用地域で建築はできません。
営業許可=建築許可ではないので注意が必要です
・建築基準法だけではNG
建築基準法はもちろんのこと、関係規定である法令にも適合させる義務があります。例えば、大都市圏で施行されている「福祉のまちづくり条例」では建築基準法では求めていない、スロープの設置義務があります。もし、スロープの設置を怠ってしまうと、建築基準法には適合しているが、関係規定である条例に違反しているので、これも違反建築物となります。