地方暮らしの魅力 ― 一軒家とマンション、どちらを選ぶ?

1. 地方で暮らす人が増えてきた理由

最近は働き方が多様化し、職場に毎日通わなくてもいい環境が整ってきました。リモートワークが普及し、オンラインミーティングが普通になると、都市中心部に住む意味が薄れてくる方も増えているようです。家賃や物価の高い都会を離れれば、家計の余裕が出たり、自然豊かな場所で子どもを育てられたりといったメリットもあるかもしれません。総務省のデータを見ると、東京などの大都市に一方的に人が集まる状況は変わりつつあり、地方へ移住する人も着実に増えているようです。

2. 一軒家の暮らし

地方だと、広めの敷地を手に入れやすいのが魅力です。都市部で3LDKのマンションを5,000万円近くで買うよりも、地方では同じくらいの金額で土地付きの一軒家を新築できるケースもあります。中古ならさらに安くなることも多く、たとえば2,000万円以下で古民家を購入して、500万円ほどかけてリノベーションし、自分好みの空間に仕上げている例もよく耳にします。

戸建ての場合、庭いじりやバーベキューを楽しむなど、プライベートを満喫しやすいのがメリットです。上下左右に住人がいないぶん、生活音の悩みが少ないという声もあります。ただし、屋根や外壁、給排水設備のメンテナンスは自分で手配しないといけないので、いずれ大きな修繕費がかかる可能性は念頭に置く必要があるでしょう。

マンション暮らしの魅力

一軒家ほど敷地の広さはないものの、マンションはセキュリティ面の安心感が大きいと感じる方が多いようです。オートロックや防犯カメラが設置されている物件なら、特に夜間の出入りが心強いといえます。また、共用部分の清掃やゴミ置き場の管理などは管理組合や管理会社が主導しているため、家の外回りの手入れがほとんど不要で済みます。

地方のマンションは、都会ほど数が多くないものの、駅や商業施設がある中心部に建てられている場合が多いです。徒歩圏内にスーパーや病院がそろっているエリアなら、車を使わずに生活することも可能かもしれません。駐車場代だけで月1万~3万円かかる地域もあるので、そこを節約できるのは大きなメリットです。

3. 生活コストと通勤時間の現実

都市部で家族4人が暮らすなら、月15万円以上の家賃やローン返済を負担するケースは珍しくありません。一方、地方の中核都市なら8万円程度で3LDKの賃貸を借りられたり、3,000万円程度で4LDKの新築戸建てを建てたりできる場合があります。こうした差が年間60万円~80万円にもなる例もあり、その分を貯蓄や趣味に回せるのは大きいでしょう。

また、都市部では片道1時間の通勤が当たり前という声をよく聞きますが、地方で車や電車を使う場合は片道30分かからないという人も多いです。週5日の通勤で月換算すると、都市部より20時間ほど自由な時間が増えることもあり、浮いた時間を家族と過ごしたり、趣味に費やしたりできるのは魅力的です。

4. 選ぶときのポイント

まずは自分のライフスタイルを明確にすることが大切です。子どもが小さいうちは広い庭や遊び場がほしい一方、将来的には駅近のマンションに住み替えるのもありかもしれません。戸建てを選ぶなら、いずれ訪れる屋根や外壁の修繕費をどう工面するか、マンションの場合なら管理費や修繕積立金を負担してでも維持管理を任せたいかなど、費用面も考え合わせましょう。

地方での暮らしは、経済的なメリットだけでなく、自然や地域コミュニティとのつながりを楽しめる魅力もあります。一軒家でもマンションでも、自分や家族が心地よく過ごせる空間を見つけておけば、長い目で見ても満足度の高い暮らしができるのではないでしょうか。