DRA-CADでプレゼン資料を作るテクニック

目次
1. はじめに
DRA-CADは日本の建築業界に特化した2D/3D CADソフトですが、図面作成だけでなくプレゼン資料の作成にも大きな力を発揮します。CADとプレゼンソフトを切り分けず、DRA-CAD内でレイアウト設計や図面演出が完結することで、効率的かつ説得力ある資料づくりが可能です。本記事では、DRA-CADを使って伝わるプレゼン資料を作るテクニックをご紹介します。
2. プレゼン資料に適したDRA-CADの機能紹介
ビューポートとレイアウト機能の使い方
「用紙レイアウト」機能を活用すれば、実際の印刷サイズに合わせて図面配置が可能です。ビューポートを複数設定し、異なる縮尺や角度で図面を並列表示することで、図面の意図が伝わりやすくなります。
配色・線種・フォントの調整で見栄えUP
図面をプレゼン用に仕上げるためには、線色や太さ、フォント選定がカギ。視認性の高い配色や、図面要素の強弱を意識した線種設定が効果的です。
図形・文字のグループ化と整列機能
レイアウト調整では、要素をグループ化して揃えることで、プレゼン資料としての「整い感」を演出。整列・均等配置ツールも活用しましょう。
3. 効果的なレイアウト設計のポイント
A3・A1など用紙サイズごとの構成法
資料の目的に応じてレイアウトの密度や構成を変えるのが基本。A1なら全体図+詳細図、A3なら要点を絞ったビジュアルにするなど、用途に応じた使い分けが求められます。
図面とテキストのバランスの取り方
テキスト量が多すぎると図面が霞み、少なすぎると情報が伝わりません。適度な余白と見出し整理により、視線誘導を意識した設計が大切です。
タイトル・凡例・スケールバーの配置ルール
図面の信頼性を高めるために、必須情報は見やすい位置に配置。特にスケールや方位は、右下または右上に統一すると視認性が上がります。
4. 図面を“魅せる”工夫と演出テクニック
着彩・透過処理・ハッチングの応用
要所に色付けすることで視線を誘導できます。既存部・新設部の色分けや、ハッチングの工夫で図面に深みが出ます。
断面図や立面図を使った視覚的訴求
単なる平面図だけでなく、断面図や立面図を同時に配置することで、空間の立体的理解が促されます。プレゼンの説得力が格段に上がります。
簡易パースや3Dビューの活用例
DRA-CADの3D表示機能を使えば、ワンクリックで鳥瞰・透視ビューを生成可能。簡易パースを併用するだけで、提案資料がぐっと印象的になります。
5. 他ソフトとの連携による仕上げ作業
DRA-CADから画像・PDF出力する手順
「画像として保存」や「PDF出力」で高解像度の資料が作成可能です。特にPDFはスケール保持やレイアウト確認がしやすく、共有資料として最適です。
PowerPoint・Illustratorへの展開方法
出力した画像をPowerPointに貼り付けてスライド形式にすれば、会議や提案に即対応。Illustratorで微調整すれば、より洗練されたグラフィック資料に仕上げられます。
スライド用テンプレートとの組み合わせ術
図面とスライドのデザイン統一は説得力の源。社内テンプレートに図面を落とし込むだけで、ブランディングされた資料が完成します。
6. プレゼン実例紹介:用途別の資料作成
企画提案書(基本構想案)
早期段階の提案では、平面図・イメージパース・要点解説の三点セットで構成。DRA-CADなら全て内製可能です。
改修・リニューアル提案資料
既存図と改修案を比較しやすく見せる構成が重要。DRA-CADのレイヤ切替や透過表示で、「ビフォーアフター」が明快に伝えられます。
社内レビューやクライアント説明用資料
図面精度と分かりやすさを両立させる必要があるため、テキスト説明と図の整合性が重要。DRA-CAD上で細かな注記や補足を加えられるのが強みです。
7. まとめ
プレゼン資料も「図面の一部」と捉えるなら、DRA-CADでの一貫作業が効率と品質の両立につながります。図面づくりの延長として、レイアウト力や見せ方を磨くことで、設計者としての提案力も自然と向上します。日常的にプレゼン意識を持って作図することが、ワンランク上の図面表現につながるでしょう。