DRA-CADが重い?動作を軽くする設定集

目次
1. はじめに
DRA-CADは日本の建築設計現場で広く使用される高機能CADソフトですが、大規模な図面や複雑なデータを扱うと動作が重く感じられることがあります。ちょっとした設定の見直しや操作の工夫で、作業効率は大きく改善します。本記事では、DRA-CADを快適に使いこなすための設定・対策方法を総まとめします。
2. ハードウェアのチェックポイント
推奨スペックと動作環境の見直し
DRA-CADの推奨環境はバージョンによって異なりますが、最新バージョンを使うなら以下のスペックが基準です:
- CPU:Intel Core i5以上(Core i7推奨)
- メモリ:16GB以上推奨
- GPU:DirectX対応の専用グラフィックボード
- ストレージ:SSD必須
メモリ・グラフィックボードの影響
大量の図形データを扱う場合、内蔵GPUでは描画負荷が高くなるため、NVIDIAやAMDのグラフィックボードが有効です。メモリは16GB以上を確保しましょう。
ストレージの空き容量とSSD活用
HDD環境では読み書き速度がボトルネックになります。起動・保存・オートバックアップ処理を速くするには、SSD搭載マシンが必須です。
3. ソフト内設定でできる軽量化対策
表示設定の簡素化
- アンチエイリアス:オフにすると描画負荷が軽減されます
- 透過表示:チェックを外して表示をシンプルに
- ハッチングや影の描写を抑えることでレスポンスが向上
オブジェクト数が多いときのレイヤ整理術
不要なレイヤは非表示または一時削除。特にブロック内に大量の細分化要素があると全体が重くなるので注意しましょう。
自動保存・バックアップ間隔の調整
自動保存間隔を短くしすぎるとその都度処理が走り、フリーズの原因になることも。5〜10分程度に設定するとバランスが取れます。
4. 図面データ自体の軽量化テクニック
不要なブロック・図形の削除
使っていないブロック定義や参考線、古い寸法線などは削除しておきましょう。"不要な図形の削除"機能も有効です。
外部参照の使い方と注意点
図面を分割して外部参照で管理するのは有効ですが、パスが切れていると読み込みに時間がかかるので、管理フォルダを固定しましょう。
重複要素・ゴミデータの整理方法
「図形の整理」コマンドで重複線の削除や不要データの最適化が可能。ファイルサイズの圧縮にもつながります。
5. 実務に効く!操作時のストレスを減らす工夫
拡大縮小・スクロールが重いときの対処法
"スムーズスクロール"をオフにし、表示モードをワイヤーフレームに変更すると操作が軽くなります。
印刷・PDF出力時の遅延対策
一時的にハッチングやシェーディングをオフにして出力。出力解像度を落としてプレビュー確認し、最終版のみ高品質にすると時間短縮につながります。
よく使うコマンドを高速化するカスタマイズ術
ツールバーに頻出コマンドを登録したり、ショートカットキーを割り当てることで、クリック回数を減らし、作業スピードを向上させましょう。
6. トラブル時のチェックリスト
念のため確認したいDRA-CADのバージョン・更新情報
最新のパッチやアップデートが適用されていないと、既知の不具合が原因で動作が不安定になることがあります。メーカーサイトで定期的に確認しましょう。
設定リセット・再インストールのタイミング
不具合が改善されない場合、初期設定ファイルのリセットや再インストールも一つの手段。設定のバックアップは忘れずに。
サポートに問い合わせる前に確認すべきこと
- PCスペックとOSバージョン
- DRA-CADのバージョン
- 図面データのサイズと使用ファイル数 これらを整理しておくと、サポート対応もスムーズになります。
7. まとめ
DRA-CADの快適な運用には、ハードとソフト両面でのチューニングが不可欠です。日頃から図面の整理や表示設定に気を配ることで、動作の重さは大幅に改善可能です。作業効率を上げるためにも、ぜひ今回紹介した設定を実務に取り入れてみてください。