中大規模木造建築の普及が進展、設計段階で求められる構造・防耐火・納まりの整理

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建築設計分野では、中大規模木造建築物の普及に向けた動きが続いています。国土交通省は2026年7月17日、令和8年度「優良木造建築物等整備推進事業」の普及枠について、13件の採択プロジェクトを決定したと発表しました。募集期間は2026年4月15日から5月26日までで、14件の提案のうち13件が採択されています。
今回の事業は、中大規模木造建築物の普及に資するプロジェクトや、木造化に係る設計・施工技術が導入されるプロジェクトを支援するものです。採択された案件には、共同住宅、事務所、店舗、診療所、有料老人ホームなどが含まれており、3階建てから9階建てまで、さまざまな用途・規模の木造建築物が対象となっています。
事業概要では、主要構造部に木材を一定以上使用すること、一定規模以上であること、ZEH・ZEB水準に適合すること、木造建築物の普及啓発に関する取組を行うことなどが要件として示されています。また、共同住宅・事務所では階数4以上、事務所以外の非住宅では階数3以上または延べ面積3,000㎡超など、建物用途に応じた条件も整理されています。
国土交通省は、木造住宅・建築物の振興施策の一つとして、優良木造建築物等整備推進事業のほか、中大規模木造建築に関するポータルサイトや設計支援、事例紹介などの情報も公開しています。中大規模木造は、住宅だけでなく、共同住宅、福祉施設、事務所、店舗などへ広がっており、設計実務でも木造化を前提とした図面・仕様・法規確認の重要性が高まっています。
木造化を前提に設計図書で確認したいこと
中大規模木造建築では、木造であることだけを図面に示せばよいわけではありません。設計段階では、構造計画、防耐火設計、遮音、耐久性、設備ルート、維持管理、木材調達、施工方法などを、意匠図・構造図・設備図・仕様書の間で整合させる必要があります。
特に、準耐火構造や耐火構造が求められる建物では、柱・梁・床・壁・接合部などの仕様が、法規上の要求や認定仕様と一致しているかを早い段階で確認することが重要です。設計後半で耐火被覆、壁構成、開口部まわり、設備貫通部などの条件が変わると、平面計画や矩計図、詳細図、仕上表、建具表に大きな修正が生じる可能性があります。
また、中大規模木造では、木材の現し仕上げ、混構造、CLTや集成材の活用、接合金物、耐力壁配置など、意匠と構造が密接に関係します。そのため、意匠設計、構造設計、設備設計、施工者が早期に情報を共有し、図面上で仕様や納まりを明確にすることが、手戻りの抑制につながります。
実施設計サポートセンターの事業領域である建築図面作成支援、実施設計図面、各種詳細図、確認申請関連業務においても、中大規模木造への対応では、作図精度に加えて、構造・防耐火・仕様・施工条件を踏まえた図面整理が重要になります。木造化の検討が進むほど、設計初期から詳細図や仕様書との整合性を意識し、確認申請や施工段階で説明しやすい図面に整えることが求められます。
出典元
国土交通省
中大規模木造建築ポータルサイト
参考リンク
- 国土交通省「令和8年度『優良木造建築物等整備推進事業』採択プロジェクトの決定」
- 国土交通省「令和8年度『優良木造建築物等整備推進事業』採択プロジェクト一覧」
- 国土交通省「木造住宅・建築物の振興施策」
- 中大規模木造建築ポータルサイト「中大規模建築を木でつくるための技術・情報集約サイト」
※本記事は、公開情報をもとに業界動向を整理したものです。各資料・制度・サービス等の詳細については、必ず各発表元・関係機関の公式情報をご確認ください。