住宅の省エネ計算、床面積の端数処理を2026年10月から見直し―確認申請図書との整合に注意

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国土交通省は2026年8月5日、住宅の省エネ計算で使用する床面積の端数処理について、同年10月に予定されている技術情報の改定内容を公表しました。現在は、建築基準法と建築物省エネ法で床面積の端数処理方法が異なっていますが、今回の見直しによって、住宅の省エネ計算に使用する床面積についても、行政庁等における建築基準法上の端数の扱いに合わせる方向となります。
現行では、建築基準法上の床面積は原則として「小数第3位以下を切り捨て」、建築物省エネ法の省エネ計算では「小数第3位を四捨五入」して、それぞれ小数点以下2桁で扱っています。ただし、建築基準法上の取り扱いは行政庁によって異なる場合があります。
2026年10月に予定される住宅版技術情報の改定後は、「主たる居室」「その他の居室」「非居室」の各床面積について、それぞれ行政庁等における建築基準法上の床面積の端数の扱いに従って算出することになります。
一方、経過措置も設けられています。国土交通省の周知資料では、2026年12月末までに申請するものについては、これまでの端数処理方法を使用しても差し支えないとしています。8月6日に更新された改正建築物省エネ法・建築基準法等の質疑応答集にも、この端数処理に関する項目が追加されています。
なお、国土交通省の建築物省エネ法関連資料は8月に相次いで更新されており、8月18日には計画書の集約様式、8月19日には付属部材の季節評価に関する技術情報改訂Q&Aも公開されています。設計者は個別の変更点だけでなく、省エネ関連資料の最新版を継続して確認する必要があります。
確認申請図・面積表・省エネ計算の数値をそろえる運用が重要に
今回の変更で実務上特に意識したいのは、わずかな面積差そのものよりも、確認申請図書と省エネ計算資料との整合です。
住宅設計では、平面図、求積図、面積表、確認申請書、省エネ計算資料など、同じ床面積を複数の図書で使用します。これまで端数処理方法が異なっていたため、同じ建物を扱っていても確認申請図書と省エネ計算資料で小数点以下の数値が一致しないケースがありました。
今回の見直しでは、住宅の省エネ計算側を行政庁等における建築基準法上の床面積の扱いに合わせることになるため、実施設計や確認申請図面を作成する段階から、面積算定のルールを統一しておくことが重要になります。
特に複数の担当者や外部協力先で図面作成を分担している場合は、平面図や求積図を作成する担当者と、省エネ計算・確認申請関連業務を担当する者との間で、端数処理方法を共有しておく必要があります。
また、今回の周知資料では「行政庁等における建築基準法上の床面積の端数の扱いに従う」とされており、建築基準法側については行政庁によって取り扱いが異なる場合があることも明記されています。したがって、単純にすべての案件で一律の処理方法へ変更するのではなく、計画地を所管する行政庁等の取り扱いを確認することが重要です。
設計事務所や建設会社設計部では、2026年10月以降に申請予定の住宅案件について、求積図・面積表・確認申請図書・省エネ計算資料の作成ルールを一度確認しておくとよいでしょう。
図面作成支援を外部へ委託する場合についても、使用する面積算定ルールを発注時に共有しておけば、図面完成後に数値を修正する作業や、確認申請・省エネ関連図書間の不整合を減らしやすくなります。
出典元
国土交通省
参考リンク
国土交通省「床面積の端数処理について」
国土交通省「建築物省エネ法 資料ライブラリー」
国土交通省「改正建築物省エネ法・建築基準法等に関する解説資料とQ&A」
国土交通省「建築物省エネ法のページ」
※本記事は、公開情報をもとに業界動向を整理したものです。各資料・制度・サービス等の詳細については、必ず各発表元・関係機関の公式情報をご確認ください。