今さら聞けないオール電化の基本とメリット?

オール電化という言葉はよく耳にするものの、「具体的に何が違うのか?」「本当にお得なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。オール電化の仕組みや導入のポイント、光熱費の違いなどを改めて整理してみましょう。
1. オール電化とは?
オール電化とは、家庭のエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことを指します。ガスを使わず、調理・給湯・暖房 などの設備を電気で動かします。主な設備には以下のようなものがあります。
- IHクッキングヒーター(火を使わず、ガラス面がフラットなコンロ)
- エコキュート(電気でお湯を作る給湯システム)
- 電気床暖房やエアコン暖房(ガスを使わずに家全体を温める)
2. オール電化のメリット
1.光熱費の節約が期待できる
オール電化住宅では、各電力会社の「オール電化向けプラン」を利用できるため、深夜の割安な電気料金を活用できます。特にエコキュートは、夜間の安い電力でお湯を作り、日中に使用する仕組みなので、ガス給湯と比べてコストを抑えやすくなります。
【都市ガス vs オール電化の年間光熱費例】
(4人家族・関東エリアの場合)
- ガス+電気併用:年間約25万~30万円
- オール電化:年間約20万~25万円
設備の使い方や地域によって差はありますが、年間5万~10万円程度の節約が期待できる家庭もあります。
2.火を使わないから安全
ガスを使用しないため、火災やガス漏れのリスクがないのが大きなメリットです。特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、「火を消し忘れたかも…」といった心配が減るため、安心して使えます。
IHクッキングヒーターは、鍋やフライパンがないと加熱しない仕組みになっているため、やけどや火事のリスクが低いのも特徴です。
3.掃除やメンテナンスが楽
IHクッキングヒーターはフラットなガラス面のため、拭くだけで簡単に掃除ができるのが魅力です。ガスコンロのように五徳やバーナーの掃除が不要なので、油汚れもサッと拭くだけで済みます。
また、エコキュートは定期的なメンテナンスをすれば、寿命は約10~15年程度とされています。ガス給湯器とほぼ同じ寿命ですが、エコキュートの方がランニングコストを抑えやすい傾向があります。
4.太陽光発電との相性が良い
オール電化住宅は、太陽光発電を導入するとさらに経済的になります。昼間に発電した電気を自家消費し、夜間は割安な電力を使うことで、光熱費をさらに抑えられる可能性があります。
例えば、4kWの太陽光パネルを設置すると、年間10万円以上の電気代削減につながるケースもあります。余った電力を売電できる場合もあり、長期的に見ると大きなコスト削減が期待できるでしょう。
3. オール電化のデメリットと対策
メリットが多いオール電化ですが、いくつかの注意点もあります。
1.停電時にすべての設備が使えなくなる
ガスと併用していれば停電時もガスコンロで調理できますが、オール電化の場合は電気が復旧するまで使用できません。ただし、太陽光発電+蓄電池を導入すれば、停電時も最低限の電力を確保できます。
2.初期費用がかかる
オール電化を導入するには、エコキュートやIHクッキングヒーターの設備費用が必要になります。
- エコキュート:約40万~60万円(設置費込み)
- IHクッキングヒーター:約10万~20万円
ただし、毎月の光熱費が安くなる分、10~15年ほどで元が取れることが多いため、長い目で見ると経済的といえます。
3.調理器具が制限される
IHクッキングヒーターは、対応する鍋やフライパンが必要になります。アルミ製や土鍋などは使えないことがあるため、調理器具を買い替える必要が出てくるかもしれません。
4. オール電化はどんな人におすすめ?
オール電化は、以下のような方に特におすすめです。
✅ 毎月の光熱費を抑えたい(特にガス代が高い地域に住んでいる方)
✅ 火を使わない安全な暮らしをしたい(子どもや高齢者がいる家庭)
✅ 太陽光発電と組み合わせて省エネを目指したい
✅ 掃除がラクで、メンテナンスの手間を減らしたい
すでにガスを使用している家庭でも、リフォーム時にオール電化を検討するケースが増えています。光熱費の削減だけでなく、安全性や利便性を考慮しながら、自分のライフスタイルに合った選択をしてみてはいかがでしょうか?