中間検査で指摘されやすいRC壁厚不整合の解消法

1. はじめに:なぜRC壁厚の不整合が中間検査で問題になるのか

RC造建築の中間検査では、構造の安全性や設計通りの施工がなされているかを厳しくチェックされます。中でも「壁厚」は鉄筋コンクリート構造の耐震性能や断熱・遮音性に関わる重要な要素であり、不整合があると是正指摘の対象になりやすい項目です。

壁厚の不整合は、設計図・構造図・施工図間の連携不足や、現場での変更対応に起因して発生します。指摘を受けた場合は是正対応や再検査が必要となり、工程遅延やコスト増に直結するため、事前の整合性確保が欠かせません。


2. RC壁厚不整合が起こる典型パターン

● 意匠設計と構造設計の連携不足

意匠設計での壁配置と、構造設計での耐力壁計画が連携されていない場合、仕上げ厚を加味せず構造体厚がズレるケースがあります。

● 配筋スペース・設備スリーブとの干渉

構造図上では成立していても、実際の鉄筋配筋やスリーブ配置との干渉で壁厚の確保が困難になる例があります。

● プレカット業者との調整不足や現場変更対応

プレカット業者が壁厚を既定値で処理してしまう、または現場で急な間仕切り変更があり整合が取れなくなることも要因です。


3. 指摘を防ぐための事前チェックと設計時の工夫

● BIMやCADを活用した設計段階での壁厚整合

3Dモデルによる整合確認や干渉チェックを行うことで、設計段階からの食い違いを防げます。

● 各種図面(意匠・構造・設備・施工図)間の整合性確認

構造設計者だけでなく、設備設計・施工図担当者との壁厚確認の定例ミーティングを設けると効果的です。

● 建築確認申請図と実施工図の差分管理

確認申請で提出した図面と現場で使用する施工図に差異がある場合、中間検査での指摘が濃厚となります。差分の把握と説明資料の整備を忘れずに。


4. 施工段階での対応策と現場マネジメント

● 墨出し・型枠建込み前の壁厚再確認

着工前に再度、壁芯と壁厚を現場で確認し、打設前の検査記録として写真・寸法記録を残すことが重要です。

● 現場での不整合発見時の是正フロー

不整合を発見した場合は、現場責任者→設計者→監理者と早期に報告し、是正指示を文書で取り付けましょう。

● 設計変更・構造設計者との調整の進め方

壁厚変更は耐震性や法的許容値にも影響するため、構造設計者の再計算と図書の更新が必須となります。


5. 中間検査時に有効な対応・資料の整備方法

● 壁厚確認に必要な図面・資料の準備チェックリスト

  • 建築確認済図面(意匠・構造)
  • 施工図(型枠・配筋)
  • 現場写真(墨出し・型枠前・配筋前)
  • 変更届(あれば)

● 指摘を受けた際の迅速な対応のポイント

指摘箇所の正確な図面提示と、是正計画の明確な説明が鍵です。現場の信頼性を左右します。

● 検査員とのコミュニケーションと信頼構築

形式的な対応だけでなく、日頃から検査員との良好な関係を築いておくことが、判断の柔軟性や検査時間の短縮につながります。


6. まとめ:不整合ゼロで通過するための実務ポイント

  • 壁厚は意匠・構造・施工・設備のすべてにまたがる共通課題として意識する
  • 設計・施工・検査の3者間での情報共有が最重要
  • 一現場ごとに「なぜ不整合が起きたか」を振り返るフィードバック体制が再発防止につながる

RC構造の精度管理はプロジェクト全体の信頼性を左右します。中間検査をスムーズに通過するには、日頃の整合チェックと迅速な調整対応が鍵です。