フォームタイの種類と抜け止め対策
目次
1. はじめに:フォームタイの役割
型枠工事において、フォームタイ(Form Tie)は欠かせない資材です。フォームタイはコンクリート打設時に型枠が内側へ押し潰されないよう、型枠同士を固定する役割を持っています。特に壁構造や柱など、打設圧力が強くかかる部位では、フォームタイの品質と施工精度が仕上がりを大きく左右します。
また、フォームタイは型枠解体後も一部がコンクリート内に残るため、耐久性や止水性能の観点からも選定・施工管理が重要です。
2. フォームタイの種類と特徴
スナップタイ
最も一般的に使用されるタイプで、両端にスナップを取り付けて型枠を保持します。安価で扱いやすい一方、抜け止め管理を怠るとコーンの外れやすさが課題となります。
セーフティタイ
施工時の安全性を重視したタイプで、抜け防止機構が備わっています。特に高所作業や大型壁の施工で有効です。初期コストは高めですが、事故防止と補修コスト削減を考えると有利です。
コーン付きフォームタイ
型枠解体後にコーンを外すことで、再利用が可能なタイプ。さらに止水コーンを用いることで地下外壁など水密性が求められる構造にも対応できます。
ユーロタイ・システムタイ
大型建築や土木構造物に用いられる欧州系システム。高い強度と施工効率を両立でき、繰り返し利用にも優れています。コストは高いですが、大規模現場では採用が進んでいます。
3. フォームタイの抜け止め対策
- コーン部の抜け防止:専用キャップや止水コーンを使用することで、打設後のコンクリート漏れやコーン抜けを防止できます。
- 施工手順の徹底:フォームタイは水平・垂直を正確にセットし、適切な締め付けトルクで固定することが重要です。
- 補助金物や樹脂パッキンの活用:樹脂製の抜け止めパーツを併用することで、コンクリート硬化後の不良を未然に防ぐことができます。
4. 抜け止め不良によるリスク
- コンクリート漏れ・豆板の発生:コーン部からの漏れは、仕上げ面に豆板を生じやすく、補修コストが増大します。
- 構造耐力への影響:抜け止め不良が連続すると局所的に強度不足を招き、耐久性に影響します。
- 外観品質の低下:仕上がりの美観を損なうだけでなく、施主からのクレームにもつながります。
5. 実務で役立つ管理ポイント
- 種類選定と在庫管理:構造物の用途や止水要求に応じて適切なタイプを選び、余剰在庫は再利用可否を確認します。
- 点検と交換基準:再利用する場合は、ねじ部の摩耗やコーン部の損傷をチェックし、不良品は早期廃棄します。
- 解体時の安全確認:型枠解体中にフォームタイが急に外れると事故につながるため、解体手順を明確にし、現場教育を徹底します。
6. まとめ:品質と安全を守るための留意点
フォームタイは単なる型枠資材ではなく、構造体の品質と安全性を左右する重要な部材です。施工条件に応じてスナップタイ、コーン付き、システムタイなどを使い分け、確実な抜け止め対策を行うことで、仕上がり精度と耐久性を確保できます。
現場では「適材適所の選定」「施工精度の徹底」「管理体制の強化」を心がけることが、品質不良や事故を防ぐ最大のポイントです。


