ケーシングとは?サッシ回り納まりの基本
目次
1. はじめに:サッシ回りの納まりで「ケーシング」が果たす役割とは?
建物の開口部、特にサッシ回りの納まりは、意匠性・防水性・施工性の観点で非常に重要です。その中でも「ケーシング納まり」は、見た目の美しさと施工精度を両立させる定番ディテールとして広く使われています。
特に木造住宅やマンションの共用部、RC建築の外装などで頻出し、建築士試験でもよく出題される知識です。本記事では、ケーシングの定義から納まり図、設計・施工時のポイントまで、実務で役立つ視点で解説していきます。
2. ケーシングとは?定義と基本構成
**ケーシング(casing)**とは、サッシ枠まわりを覆うように取り付けられる仕上げ材のことです。主に以下の構成で成り立っています:
- サッシ本体(アルミ・樹脂など)
- ケーシング枠材(木製・樹脂・金属)
- ケーシング見切材・目地材・防水処理材
建物構造別に見ると、
- 木造では内装仕上げ材と一体化した見せる納まりが多く、意匠部材としての性格が強い
- RC造では防水や断熱性能の補完材としての役割も持ち、納まりの調整材になる
- S造では外壁仕上げとの取り合いが重要で、防火構造や断熱仕様との連携が求められます
また、ケーシングには**内部用(内装ケーシング)と外部用(外装ケーシング)**があります。内部用は意匠優先、外部用は耐候性・防水性が重視されるのが特徴です。
3. サッシ回り納まりの基本パターン
サッシの納まりには大きく分けて2種類があります:
● 直付け納まり
サッシを直接躯体や下地に取り付け、周囲をコーキングなどで処理する方法。納まりがシンプルでコストも低く済むが、下地の精度や施工者の技量に依存します。
● ケーシング納まり
サッシの周囲にあらかじめケーシング材を設け、見切りや納まり精度を担保する方法。雨仕舞や断熱の処理がしやすく、仕上がりの均質化に向いています。
また、外壁材(サイディング・左官・タイルなど)や内装材(クロス・木パネルなど)との取り合い部では、ケーシングによって納まりの境界を明示し、施工誤差を吸収する役割も果たします。
4. ケーシング納まりのメリット・デメリット
● メリット
- 下地精度に左右されにくく、仕上がりが美しい
- 雨仕舞・断熱層の確保が容易
- モジュール化しやすく、プレカットや量産住宅にも適応
● デメリット
- 材料費・施工手間がやや増加
- ケーシング部の出寸法を設計初期で考慮する必要あり
- 無駄に使うと意匠が野暮ったくなることも
5. 納まり図で見る!ケーシングの具体例
実務でよく使われるケーシング納まりを図面で確認しておきましょう。
- 木造住宅例:サッシ周囲に木製ケーシング枠(見付30mm)を設け、クロスとの見切りを兼ねる。
- RC造外装例:サッシ下枠に水切りケーシングを設置し、タイルや左官の収まりを整理。
- 量産住宅例:プレカットされたケーシングを現場で差し込み、ビス留めする省施工タイプ。
※図面が必要な場合は別途用意します。
6. トラブルを防ぐ設計・施工時のチェックポイント
ケーシング納まりをうまく機能させるためには、以下の点に注意が必要です:
- 結露対策:ケーシング裏に通気層や断熱材を配置し、温度差を抑える
- 水漏れ防止:外部ケーシングには防水テープや水切り部材を併用する
- 下地処理:躯体の凹凸を吸収できるよう、ケーシング厚み・パッキン材で調整
- 意匠整合:ケーシングと巾木・見切りとのラインを揃えると、意匠性が向上
7. まとめ:ケーシング納まりをマスターして美観と性能を両立させよう
ケーシングは単なる装飾ではなく、施工の合理化・性能向上・意匠の整合を実現するための重要なパーツです。設計段階での配慮と現場との連携により、美しく機能的な納まりを実現できます。
納まりに強い設計者・現場監督は、細部に宿る品質を理解しています。ぜひケーシングの基本を押さえ、実務に活かしていきましょう。


