省エネ計算の一次エネルギー消費量計算における『比消費電力』ってなに?

住宅の省エネ性を評価する数値のひとつに一次エネルギー消費量(以下、一次エネ)がありますが、各住宅設備の仕様などによって算出されます。

各住宅設備の中で、換気設備の一次エネの計算に必要な値が『比消費電力』になります。

この記事では、住宅における24時間換気設備の評価に関わる『比消費電力』について掘り下げます。

換気設備の一次エネルギー消費量に使用される比消費電力って?

比消費電力とは、『1時間あたり、1立方メートルの空気を運ぶのにどれくらいの電力が必要になるかを示した値』になり、数値が小さいほど省エネ効果が高くなります。

比消費電力の計算式
比消費電力[W/(㎥/h)]=換気扇の消費電力[W]/設計風量[㎥/h]

比消費電力は換気設備の換気種別、ダクトの内径、電動機の種類により規定値が導き出され、その値で一次エネを計算することが可能です。

ただ、計算式にて算出した値は規定値の比消費電力よりも値が小さくなる傾向がありますので、一次エネを向上させたいときは計算式の利用をおすすめします。

住宅の省エネ性を評価する数値のひとつに一次エネルギー消費量(以下、一次エネ)がありますが、各住宅設備の仕様などによって算出されます。

各住宅設備の中で、換気設備の一次エネの計算に必要な値が『比消費電力』になります。

この記事では、住宅における24時間換気設備の評価に関わる『比消費電力』について掘り下げます。

換気設備の一次エネルギー消費量に使用される比消費電力って?

比消費電力とは、『1時間あたり、1立方メートルの空気を運ぶのにどれくらいの電力が必要になるかを示した値』になり、数値が小さいほど省エネ効果が高くなります。

比消費電力の計算式
比消費電力[W/(㎥/h)]=換気扇の消費電力[W]/設計風量[㎥/h]

比消費電力は換気設備の換気種別、ダクトの内径、電動機の種類により規定値が導き出され、その値で一次エネを計算することが可能です。

ただ、計算式にて算出した値は規定値の比消費電力よりも値が小さくなる傾向がありますので、一次エネを向上させたいときは計算式の利用をおすすめします。

■比消費電力の規定値 一覧表■

換気設備の方式ダクトの内径電動機の種類比消費電力
(規定値)
ダクト式第一種換気設備(熱交換型換気設備)内径を未確認、または内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認できない直流あるいは交流0.700
内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認交流または直流と交流の併用0.490
直流0.319
ダクト式第一種換気設備内径を未確認、または内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認できない直流あるいは交流0.500
内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認交流または直流と交流の併用0.350
直流0.228
ダクト式第二種または、第三種換気設備内径を未確認、または内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認できない直流あるいは交流0.400
内径75mm以上のダクトのみ使用していることを確認交流または直流と交流の併用0.240
直流0.144
壁付け式第一種換気設備(熱交換型換気設備)0.700
壁付け式第一種換気設備0.400
壁付け式第二種換気設備または第三種換気設備0.300
引用:住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム

換気設備におけるエネルギー消費性能計算プログラムの入力手順3つのstep

前述した規定値一覧表に照らし合すため、住宅版の『エネルギー消費性能計算プログラム(以下、Webプロ)』において、換気設備の仕様を次のstepで入力します。

step 1,換気設備の方式
step 2,換気設備の評価方法
step 3,換気回数

それぞれstepについて、解説します。

step 1.換気設備の方式

はじめに、設計した住宅の換気設備の方式が下記のうちどれに該当するかを選択します。

□ダクト式第一種換気設備
□ダクト式第二種換気設備、またはダクト式第三種換気設備
□壁付け式第一種換気設備
□壁付け式第二種換気設備、または壁付け式第三種換気設備
□基準値の算定において想定される機器

一般的な住宅の換気設計において、戸建住宅は壁付け式、共同住宅ではダクト式の第三種換気の採用がほとんどです。近年では高気密高断熱の住宅が増えてきており、第一種換気を導入する住宅も増加傾向にあります。

step 2.換気設備の評価方法

step1で選択したダクト式か壁付け式によって、step2で入力方法が変わります。評価方法のルートによって、最終的に採用される比消費電力の値が「規定値」か「計算値」に分かれます。

■換気設備の評価一覧■

換気方式比消費電力の手入力省エネルギー手法の種類採用される
比消費電力
ダクト式入力しない規定値
入力しないで「省エネルギー手法」を採用径の太いダクト(75mm以上)を使用
径の太いダクト(75mm以上)を使用
+DC(直流)モーターの採用
入力する計算値
壁付け式入力しない規定値
入力する計算値

省エネルギー手法の評価では、DC(直流)モーターのみの採用において評価ルートが存在しておりません。ダクト径が75mm未満で比消費電力を下げたい場合、計算式にて算出しWebプロへ入力が必要になります。

step 3.換気階数

Webプロで選択できる換気回数は、「0.5回/h 0.7回/h 0.0回/h」の3つです。住宅における24時間換気の場合、0.5回/h を選ぶことになります。

住宅の換気設備を評価するときのよく悩まれるポイント

住宅の換気設備において一次エネを計算するときに、よく聞く疑問点が2つあります。

まず、1つ目ですが、住宅の一次エネを算出するための換気設備の評価対象は、24時間換気に限定されますことです。

レンジフードなどの局所的に換気する設備につきましては、評価対象外です。
建築の途中で局所換気の機器が変更になりましても、一次エネの計算結果に影響ございません。

続いて2つ目は、仕様の違う複数の換気扇によって24時間換気を設計している場合、もっとも仕様が劣る換気設備にて一次エネの評価をすることです。
どちらの疑問点にもご注意いただき、比消費電力の概念を理解の上、省エネ計算における一次エネの計算に取り組んでください。