なぜいま、平屋が人気なのか?メリット・デメリットを解説

平屋ブーム到来。
かつては「昔ながらの家」というイメージが強かった平屋。着工件数がここ10年で約2倍に増加し、SNSやブログを中心に平屋の人気が急上昇しています。
耐震性、メンテンナンス費、機能性、バリアフリーに優れていることや、コロナ過以降、在宅勤務が定着し、地価が安価な地方へ移住する地方移住ブームが相まっていることが、平屋の人気の理由です。
本日は、平屋を建てる際のメリットとデメリットを解説していきます。
1. 平屋住宅のメリット
・耐震性
2階部分がないため、重量が軽減され、地震時に大きく揺れることがありません。2階部分を支える壁や柱が必要ないため、開放的な空間を計画することができます。
・メンテナンス費
2階建ての場合、外壁塗装や、屋根修繕の際に大がかりな足場を設置する必要があります。10~20年のスパンで必要になるメンテナンス費ですが、トータルで見積もると多額の出費になります。平屋建ての場合、大がかりな足場は必要ないため、メンテナンス費を抑えることができます。
・機能性
上下移動がないため、掃除、洗濯の際、階段を使う必要がありません。家事を効率的に行うことができます。
・バリアフリー
階段がないため、高齢期にバリアフリー対応が容易です。将来足腰が弱って2階に上がれなくなり、車椅子を使うようになったときも、問題なく移動が可能です。また、小さな子がいる場合でも階段から転落する心配がありません。
2. 平屋住宅のデメリット
・土地購入費
土地購入費は2階建てと比べ高額になります。
仮に延べ面積100㎡の家を建てる場合、2階建ての場合、建築面積は約50㎡に対し、平屋の家の場合100㎡必要になります。建ぺい率60%の一般的な地域で建築すると、必要な土地は2階建ての場合約85㎡、平屋の場合は約170㎡が必要になります。
平屋は2階建てと比べ約2倍の土地が必要になるため、土地購入費もその分高額になると考えてよいでしょう
・日当たりが悪い
建物全体の高さが低いため、周囲に建物が隣接していると、日当たりは悪くなります。
・プライバシー
平屋は廊下や階段の共用部が少なく、コンパクトに計画できるメリットがあります。しかし、共用部が少ないということは、各居室との距離が短くなるため内部のプライバシーが確保しにくくなります。
・水害
1階しかないため、洪水等の水害の際に2階へ避難することができません。土地購入の際は事前にハザードマップ等で水害危険度を調査する必要があります。
3. 2階建てと比べて建設費は高額になる?
2階建ての家と比べると、屋根と基礎が大きくなる分、一般的に平屋の方が高額になるといわれています。しかし、平屋と2階建ての間取りを比べると、共用部である、階段はなく、廊下はコンパクトになり、水回りのトイレと洗面も1か所にまとめることができます。また平屋は構造的に強いため、構造計算が容易になり設計費を圧縮できます。これらを集約すると決して平屋の方が高額になるとは言えません。