中庭のある家
建物の内側に設けられる中庭は、居室の窓や壁に囲まれる事でプライバシーが守られやすく、多目的に使える外スペースとして便利です。中庭を取り囲むように部屋を配置する事で、中庭からの光と風が家中に行き届き、明るく風通しの良い住まいが完成します。
木を植えたりガーデニングを楽しむなど、庭としての機能はもちろん、プライベートな時間を過ごせるアウトドアリビングとして寛いだり、子供やペットの遊び場にするなど、それぞれの暮らしに合わせた使い方ができます。
中庭は建物によって囲まれた空間なので、建物の形によってその形態も変わります。中庭をどのように使いたいのかなど、家族が理想とする中庭を明確にしておくと良いでしょう。
建物を「コの字型」に設計し、中庭の三面を建物で囲めば、程よい抜け感がありながら、プライバシーもしっかりと守れるバランスの良い中庭ができます。コの字型に設計すれば四方を壁で囲まれない為、中庭スペースがコンパクトな場合でも圧迫感を感じる事なく過ごせるでしょう。
建物で四方を囲む様に設計された「ロの字型」の中庭なら、完全なプライベート空間が出来上がります。室内リビングの延長で使えるアウトドアリビングとして利用したり、バーベキューやカフェテラスの様に食事を楽しむなど、外からの視線を気にする事無く快適に過ごせます。四方を囲まれているので子供やペットを遊ばせる場所にも適しており、人目に触れるのを避けたい洗濯物も安心して干せます。
「L字型」の建物で囲んだ中庭は、プライバシーを守るという点では不十分な印象ですが、近くに隣家や道路が無いなど、周辺環境によってはL字型の建物で緩やかに囲むだけで十分な場合もあります。庭を二面しか囲めないL字型の建物でも、しっかりとプライバシーも守りたい場合には、塀などの外構を計画してデメリットを補うと良いでしょう。
中庭を二世帯住宅に採用するのも良いでしょう。子世帯と親世帯を完全に切り離さず、中庭で緩やかに繋げば、お互いに適度な距離を保つ事ができます。
普段は別々の生活空間で過ごし、休日は中庭に集まって食事をするなど、お互いの生活を尊重しながらも二世帯で暮らす楽しさを共有できる理想的な住まいになるでしょう。
外空間を住まいの一部として楽しめる中庭を採用する事で、明るく風通しが良いだけでなく、家族が安心して過ごせる機能的な住まいが実現できます。
中庭を作る事で居住スペースの面積が減ったり、費用がかさむなどのデメリットもしっかりと考慮し、住まいに求める優先順位を明確にして中庭を計画してみましょう。