屋根の形から考える家作り
外観デザインの印象を大きく左右する屋根の形状は、見た目や費用だけでなく機能性も重要になります。屋根は建物を雨や風、日差しなどから守るだけでなく、住む人が快適に過ごす為の大切な役割を果たしています。屋根に使う素材はもちろん、その形状によってもメリットやデメリットが異なります。住まいに合う機能性とデザイン性を兼ね備えた理想の屋根を見つけましょう。
最も一般的でシンプルな形状の切妻屋根は、和風・洋風どちらの建築様式にもマッチする三角屋根です。単純な構造で雨漏りなどのトラブルが少なく、屋根裏に空間ができる為、通気性も良いでしょう。シンプルな構造なので材料費や人件費などの施工費用が抑えられ、コスト面でも優秀な屋根の形状と言えます。
個性的なデザイン性はありませんが、シンプルで無難な屋根を求めている方にはおすすめです。
寄棟屋根は四方向から屋根を支えている為、耐久性・耐風性に優れています。雨を四方に分散して流し、風の影響も受けにくいので、台風などの被害を抑える事ができるでしょう。
また、四方に傾斜している形状はどの方向から見てもバランスが良く、ベーシックなデザインの中に重厚感が感じられます。他の屋根に比べると接合部分が多くなるのでメンテナンスは欠かせませんが、頑丈さと落ち着きのあるシックな雰囲気を求めている方にはおすすめです。
一面で出来た屋根の一方向に傾斜をつけた片流れ屋根は、狭小住宅にも対応できるスタイリッシュなデザインの屋根です。シンプルな構造で施工性が良く、施工費はもちろん、メンテナンス費用も抑える事ができます。
屋根の面積が広く取れる為、太陽光パネルの設置にも適しているでしょう。
屋根に傾きが無くフラットな形状の陸屋根は、屋上部分を有効活用できるのが魅力です。洗濯物を干したり、バーベキューや家庭菜園を楽しんだり、庭の様に使う事ができます。
勾配のある屋根に比べて水が溜まりやすいので防水対策は必要になりますが、平面の屋根を施した建物はモダンな印象に仕上げられます。
その他にも、正方形の建物に適したピラミッド型の方形屋根や、和風建築で用いられ、格式の高い印象を与える入母屋屋根、屋根が段違いになっている形状の招き屋根など、様々な種類の屋根があります。
屋根の形状は家のデザイン性に大きく影響しますが、見た目だけを重視せず、メンテナンス性や機能性を考慮して家作りを考えていく必要があります。雨漏りのしにくさや通気性、施工費用など、屋根の形状によるメリットとデメリットを比較検討した上で、住まいの雰囲気に合う形を見つけていきましょう。