住まいに合った階段計画

住まいの階段を計画する際に安全性はもちろん、動線やスペース、インテリア性など様々な要素を考慮する必要があります。ライフスタイルや家族構成に合わせて階段の配置や形状を決めたり、インテリアとして魅せる階段を取り入れるのも良いでしょう。
新築時など、リビングやキッチンに比べると優先順位が下がってしまう階段ですが、種類や特性を知っておけば快適な住空間の一部として取り入れる事ができます。

階段の中で最もシンプルで見通しが良いのは直階段です。二階まで折り返しが無くまっすぐで昇り降りがしやすいでしょう。
自然な形で見栄えも良く、コストも抑えられるので経済的です。

踊り場がありL字型に折れる形状のかね折れ階段は、家の間取りや設置場所を選ばず、コンパクトなスペースにも収まります。踊り場があるので落下した場合に下まで落ちる心配がなく安全性にも優れています。
閉鎖的になりがちな階段も、吹き抜けと併せて採用すれば開放的な空間になるでしょう。

かね折れ階段と同様に踊り場があり、途中でU字型に折れる形状の折り返し階段は、勾配がなだらかで、階段をコンパクトにまとめられます。
周囲を壁に囲まれる場合が多いので、壁にニッチなどを設けてギャラリーのように使うのも良さそうです。

直線的な階段の印象を覆すカーブ階段を採用すれば、優美な空間を演出することができます。円弧に沿って昇降するので広いスペースが必要になりますが、インテリアとして魅力的な階段です。
住まいの顔として玄関に採用すれば、ドラマチックな空間に仕上げてくれます。

デザイン性に優れた階段と言えば、螺旋階段もインテリアのメインになるでしょう。中心の柱を軸に螺旋状に昇降する階段は、全体が円筒状になるので比較的コンパクトに収める事ができます。
中心に近いほどステップの幅が狭くなるなどデメリットもありますが、インテリア性に優れているので洗練されたイメージの空間にはピッタリです。

階段は形状だけでなく、外観にもいくつかの種類があります。
日本の住宅で最もポピュラーなのが箱階段です。その名の通り箱を積み重ねたような外観で、上下の踏み板を蹴込み板で繋いでいます。
階段下を有効活用できるので、スペースを生かした収納やトイレを作る事もできます。

箱階段と違い蹴込み板がなく、透過性を重視したオープン階段は、視線が抜けるため圧迫感の無い開放的な空間を実現できます。シースルー階段やスケルトン階段とも呼ばれ、階段下のスペースが開放される事で光を遮らず明るい空間になります。

箱階段とオープン階段を合わせた形状のひな壇階段もあります。箱階段の下部をオープンにしたもので、予算やスペースに限りがある場合などにも雰囲気のあるこだわりの階段ができます。
手すりのデザインを工夫して、インテリアとして楽しむのもおすすめです。

階段は、形状や配置によって様々な効果が期待できます。リビングに配置すれば家族の団欒をイメージでき、玄関に配置すればプライベートを重視した住まいになるなど、階段は家づくりの大切な要素になります。
家族構成や安全性を考慮しながら、インテリアの一部として階段にこだわってみるのも良いでしょう。家族のお気に入り空間になるかもしれません。
家づくりの際には階段にも注目して、安全でおしゃれな住まいを手に入れましょう。